604号室

茨城県つくば市, 日本
写真 © Makoto Yoshida

“新しい生活へのリノベーション”
多くの会社員がコロナ禍になって以来、毎日の通勤からリモートワークに切替りました。そんな中、クライアントは都心の高い家賃とその割に得られない住環境に、都心に居ることの意味を感じなくなってきました。

そしてクライアントが選んだのは縁もゆかりもない「つくば市」でした。大きな公園があって広い道路には背の高い街路樹が連なっています。自然が近く空気は綺麗、住環境が整い、東京都市圏へのアクセスも良い。
都心より大きな部屋を購入できた彼らは、自分達の生活の基盤となる自由な生活を送れることを求めました。仕事はオンラインによるリモートワークが主流なため、日常の大半をこの住宅で過ごし、週末だけ都心に通います。

こんな彼らの生活に合ったリノベーションは、個々の部屋が閉じたインテリアとして偏るのではなく、回遊性と解放性を併せ持つようなプランだと考えました。
まず小割になった全てのスペースを解体し、プランの中央に水周りを計画してその周りを自由に行き来できるようにしました。玄関から土間を住宅内部奥まで引き込み、パブリックなスペースとプライベートスペースの領域を柔らかく分けます。
この土間空間は単に領域を分けるのではなく、日常的に水廻りや個室へのアクセス、家族の衣装収納やユーティリティースペースとして機能します。私は、これをアクティブスペースと呼んでいます。
分けた領域の南側には、大きなリビングスペースと開放的なダイニングキッチンを確保して、北側には仕事に集中できるようにワークルームと個室を計画しました。

リノベーションとは単に物や空間を新しくするのではなく、これまでの生活そのものを新しい生活にリセットすることです。私は、彼らが選んだ「生活をリノベーションする。」ことをデザインに変換して応えたいと思いました。
彼らの新しい生活への祝福と共に。

写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
写真 © Makoto Yoshida
建築家
納谷学/納谷建築設計事務所
場所
茨城県つくば市, 日本
2025

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