つながり創造
神田川と青梅街道が交差する場所に位置し、江戸時代には熊野神社などの寺社や十二社池を有する西郊の景勝地だった西新宿五丁目エリア。歴史あるこのエリアの一角にある西新宿五丁目北地区は、まちづくりを開始した2006年当時には超高層ビル群を背景に木造の戸建て住宅などが建ち並び、しっとりとした佇まいのあった一方で、防災や環境といった観点から都市としての機能更新が求められていました。そうした現状を踏まえ、「防災街区整備事業」として複合施設や防災機能を有した公園の整備が行われ、全体のランドスケープデザインをSTGKが担当しました。
ランドスケープのコンセプトは「つながり創造」。この場所にある様々な事象を手がかりに、この場所ならではのつながりをつくっていきます。例えば、かつて木造住宅が密集していた頃の街の密度感や、その中で育まれ今も受け継がれている「祭り」の存在など、この場所が古くから持っていたスケール感や人の営みをモチーフとしてデザインに取り込んでいくことで、過去とつながりながら、これからも新しいつながりが生まれるような場づくりを目指しました。
また、こうした「つながり」を創造していくために、竣工後の街の賑わいづくりや運営組織の育成を目的とした団体「広場探偵団」を結成しました。「広場探偵団」は、地権者と本事業に携わる各専門家で構成され、都内各地にある賑わいのある広場を巡り知見を集めていきながら、本事業のランドスケープデザインに対しての議論を行なっていきました。
西新宿五丁目北地区防災街区整備事業
プロジェクト一覧に戻る- 年
- 2023
- クライエント
- 西新宿五丁目北地区防災街区整備事業組合
- チーム
- 組合事務局・事業コンサルタント:アールアンドディ新建築都市 研究所, 建築外構設計・監理:アール・アイ・エー・E.D.L.共同企業体, ランドスケープ実施設計・監理:ai景プランニング (岩佐英史), 外装色彩監修・広場探偵団デザインマネジメント:COTONA(片岡照博)